隣松寺の仁王像を撮影すると急に写真が上手くなったように撮れます。この寺は徳川家康との縁が深いお寺です。また、創建当初から都の文化を伝えたと思われる由緒あるお寺です。
この隣松寺の仁王門には阿形、吽形二体の仁王様が門の左右に収められているのですが、鳩よけや泥棒よけの金網や木の囲いがないのでそれらの障害物が写真に写り込みません。
今どきとてもありがたい有り様に感激します。
そんなわけで、冒頭のタイトルになったわけです。
木で作られた二体の仁王様は墨を何重にも重ね塗りしたようなモノトーンの彩色です。
極彩色や古色蒼然とした仁王は見かけたことがありますが、この仁王様は黒光りしています。
最初に見たときには、瓦などと同じ焼き物なのかと見間違ったほどです。
白黒で撮影してもよいのですが、もちろん後処理でも、カラーで写すことで、白黒の世界の中にほんのわずかな色彩の情報を残すことでこの彫刻が写真となっても命を宿していることが伝わるのではないかと考えたのです。