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写真:ほがらか♪でやがて不気味なウツボカズラ。

ほがらか♪でやがて不気味なウツボカズラ。ウツボカズラを眺めているとそんな気分になります。最初はひょうきんでほがらかな植物に見えて楽しいのですが、虫を消化するための消化液を溜めていていることがわかると、だんだんと不気味に思えてきます。消化液を溜めている捕虫袋は、もし自分が虫だったら「中に入ってみようかな」と興味を湧かせるようなデザインになっています。

ぶら下がっているウツボカズラ

それはウツボカズラの作戦で、うかつにその手に乗ってしまうと「溜めている消化液の中に体が落とされて溶かされてしまう」という恐怖の仕掛けを持った植物です。

教科書の写真で見たことがあっても、南方の国の植物なので、日本ではどこでも見られる植物ではありません。実物をじっくり観察できるのは植物園の温室などです。

グラマラスな補虫袋

ウツボカズラは楽器のサクソフォーンに似た形をしている。

ウツボカズラの形は写真をご覧になっての通りですが、楽器のサクソフォーンやひ杓に似た形状をしています。音の出る丸く開いたベルの部分が虫の採集口で、U字の部分に消化液を溜めています。音程を変えるために指で操作する部分から続いて息を吹き込むリードの部分までが蔓に例えることが出来ます。そこから茎にまでつながっています。

重心が定まりにく不思議な形状をしていると思ったのですが、補虫袋の中に消化液を溜めているのでその重みで重心が下がりバランスが取れているのだろうと想像しています。

ぶら下がったウツボカズラ

ぶらんぶらんと、だらしなくいくつもぶら下がっている様子は信楽焼の狸を想像してしまい少し滑稽に見えます。
滑稽といってもその滑稽感は一時的なもので、よく観察しているうちに、それが「気色悪さ」「不気味さ」に変わっていきます。

エイリアンのような不気味さを感じさせる

気色悪い感じを受けるのは、植物としての構造が自分の想像する造形の域を超えて映画のエイリアンのような不気味さを感じさせるからです。

ゾクッとして鳥肌が立ってしまいます。

信楽焼きの狸のイメージの方がほがらかで開放的です。

お洒落に撮るのは手に負えそうにない気がします。陰影を強調するとかしても・・・。

植物を撮るとお洒落に撮る方法として陰影を強調するとか、原色の花をコントラストをつけて撮影するとかのイメージよりになってしまいますが、ピントと手ぶれしないシャッター速度という基本的で物理的な要素を忘れてしまいがちになります。そんな写真になってしまっています。

ウツボカズラを被写体として図鑑的に写すことと、細部を表現することを課題として再挑戦の予定。


使ったカメラ Nikon:D810 Canon EOS 7D  Nikkor:24-120mm F3.5-5.6 Canon:EFS 18-135mm F3.5-5.6

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