身近な人が突然有名人になったような気がする果物“ビワ”は、食後のデザートなど出されると、少し気恥ずかしい思いをします。
子供の頃、家にビワの木があったことを思い出しました。木に成った実が黄色く色づいたらむしり取って皮をむいてひと口で食べていました。
ビワの実が潰れないように指の力加減に注意しながらしっかり持っていても、半分くらい皮がむけたところでヌルッと滑って地べたに落としてしまうことがよくあったので、そのときの残念さとガッカリ感も一緒に思い出してしまいます。
ビワは中の種は思いのほか大きいので、がぶりと噛むとガリッと歯に当たってしまうことから果肉の少ない果物という印象があります。皮をむくときに神経を使う割には実入りが少ないのです。
ビワを果物と思うとちょっと照れくさい気がする
ビワを果物と書きましたが、私にはちょっと高級過ぎる感じがします。身近な友人が突然有名人になってしまって戸惑っているような気分になります。果肉は甘すぎず口当たりが良いのですが、フルーツという一瞬舶来感のあるイメージがビワにはないからです。
素朴でもとても美味しい。ポートフォリ式に無理矢理分類すると、焼き芋、茹でたトウモロコシ、たこ焼きお好み焼き、ソース焼きそば、焼き鳥、串カツなどと同じポジションに分類、位置づけられます。
美味しいのに気を遣わないで、普段に食べられる身近な果物なのでそう思うのでしょう。
ビワには霊力がある?
ある宴席でのことです。雅な懐石料理の何膳がが終わって、本日のフルーツとして出されたのがビワでした。それを口にした瞬間に、私を今いる都会からどこか遠くの里へと誘(いざな)ってくれたのを覚えています。ほんの一瞬の事なのですが、美味しいだけではなくビワはそういう力も持っているようです。料理人の技をいただいたのだと思っています。
ビワが実を付けるまでには10年以上かかる
このビワの木は畑に植わっています。こんなにたくさんのビワが実をつけているのだったら、カゴに入れて一杯いくらかで無人販売でいいので、やってくれないかと思っているのです。隣にもまだビワの木があって鳥の餌状態になっていてもったいなく思っています。
実が成るまでの10年以前からこれまで世話をしてきた様子がうかがえる良い木なので、多少手を掛ければきれいで大きな実をいっぱい付けるに違いありません。
実の成る木を庭に植えるなと年寄りからよく聞かされていましたが、気がついたときには家に植わっていたので不思議で仕方なかったことも思い出しました。
この日の気温は31度で普通に写真を撮ると湿気のせいで空が白く写り、被写体も空気に透明感がなく白っぽく写る日でした。
使ったカメラ Nikon:D5600 レンズ Nikkor:DX 18-200mm F3.5-5.6
*記載の内容は個人の見解です。