この雪の八王子神社は岐阜県と愛知県の県境に近い恵那市明智町にあります。明智の町は関ヶ原の戦い以降、旗本明智遠山氏6500石の陣屋が明治まで置かれていたところです。すぐ近くにあるいくつかのゴルフ場までは来たことがあるので、知っていたのですが車で走ったことはあっても、これまで車を降りて明智の街を歩いたことはありませんでした。初めて歩いたその日は雪で、偶然にも雪が積もった八王子神社を撮ることができました。
大河ドラマの明智光秀の生誕地としてテレビ番組でよく紹介されていたので来てみたら道も町も真っ白の雪景色でした。めったにないことなので幸運ではありますが、雪の景色は写真に撮ると被写体が白黒になってしまい仕上がりが単調になってしまいます。躍動感があるとか、被写体に際立つ原色があるなどの目のやり場を設けないと楽しめない写真を量産することになりかねません。白黒写真の撮影が目的ならよいのですが、そうではないので少し困っての撮影になりました。
ここで紹介する写真は、明智町の八王子神社です。明智の八王子神社本殿の屋根には遠山本家筋の主紋「丸に二引き」の紋が見えます。西暦949年の創建以来、遠山氏の産土神(うぶすながみ:その土地を守護してくれる神様)として造営が繰り返され、現在の社殿は1676年当時の領主遠山半九郎伊次による造営と神社の説明にあります。
明智は大正村という街全体が大正時代の佇まいを演出しているフォトジェニックな街造りがなされているのですが、その東の外れに八王子神社は位置しています。八王子神社の本殿横には明智光秀の手植えと伝わる楓が植わっています。
この日はラッキーにもモミジの赤が雪の白に映えるという光景に出会えたので、社殿や境内の白黒ばかりの写真に華が加わりました。
自分が踏みしめる雪の音だけしかしない静寂の境内でした。
雪は色と音を消してしまいます。
日本大正村公式サイトhttp://nihon-taishomura.or.jp/
使ったカメラ Nikon:D5600 レンズ Nikkor DX 18-140mm F3.5-5.6