名古屋駅前のモニュメント「飛翔」の解体後の移設計画が白紙となる見通しで、解体後の部品は名古屋市が所有する土地で保管され、市は今後移設するかも含めて検討していく方針であることをニュースで知りました。
JR名古屋駅の東側にあるモニュメント「飛翔」は、リニア開業に向けた駅周辺の整備のため、6月から解体工事が始まっています。
上記名古屋市資料 https://www.city.nagoya.jp/jutakutoshi/page/0000142182.html
しかし、最近の報道では解体したモニュメントを再構築することは技術的に難しく、さらに高架下に収めるためにはモニュメントの塔頂部と底の部分を削る必要があることから、本来の姿を再現できないということです。
解体後の「飛翔」の部品は、市が所有する土地で保管され、市は今後、移設するかも含めて検討していくとしています。
移設するかも含めて検討するということは、そのまま解体廃棄もあることが示されたわけです。
移転先の場所選びがうまくいくと、いまはこの飛翔のモニュメントの貢献度や価値をうまく説明できなくても、移転させてよかったとやがてみんなが思うようになります。
移転先の選択が適切だと、行政として芸術作品そのものが創造する付加価値までもは数字で示すことができなくても、その価値は時間とともに人々によって必ず高められます。
また、その価値を生むためには格式と礼を持って臨まなければなりません。
手間と予算と関係部署との調整の問題が生じてくることはわかるのですが、「飛翔」を解体保管して予算が付くまでの間、またその費用が貯まるまで待つようにするとよいと思うのです。
筆者が思う移転場所の候補は、
①白川公園の南西入口。
②久屋大通パークの北端ZONE1のけやき広場。
③矢場町若宮大通り沿いのピラミッド広場。
または、矢場町のピラミッド噴水とけやき広場の場所の移転入れ替え。
です。
これらのどの場所に移転しても、都落ちしたわけではなく、「あんたそこにいたのか」といって必ず語りかけて貰えるでしょう。
これらのどの場所に移転しても、都落ち感はありません。
「あんたそこにいたのか」といって必ず語りかけて貰えるでしょう。
「知っとるよ、長い間名駅でよう働いとったのう」。
モニュメントの「飛翔」は直径21mなのでいずれの場所にも設置が可能です。
照明や噴水?の設備が「飛翔」本体にあるそうなので活用できます。
「飛翔」は、あんな所にあって邪魔だなあと感じていたとしても、これまで名古屋の玄関先でそのイメージを背負ってきた歴史があり名古屋を支えてきた実績があります。
「飛翔」が担ってきた35年の務めに対してリスペクトできる場所に移転設置して、晴れやかに第2の役割をあたえるのがよいです。
名古屋の人も、他の町から来た人も、移転した飛翔を見つけたら「名古屋駅前に長くいたよね」と、目を細めて懐かしく思い出して貰えるような移転先が見つかれば大成功です。
それは、1987年以来35年の間私たちが見慣れたモニュメントに新しい命と役割を吹き込むことが出来た瞬間です。
名古屋市制100周年を記念して設置された「飛翔」が担った35年間を消し去って記憶の彼方に追いやってしまうことは、35年間勤め上げたのに名古屋市からその貢献を評価されなかったことと同じです。
そうなってはいけないのです。
私がここに書いたことは関係する方々の間ではとっくの昔に検討済みのことと思いますが、「飛翔」がすでに私たちの宝物であることにまだ気がついていないのかもしれません。
同じように論じるには少し無理があることは承知していますが、大阪万博の太陽の塔をのこすために、大阪の人たちは頑張ったのだそうです。リニア新幹線開通工事によって「飛翔」は新しく生まれ変わる名古屋のために移転するのですから、相応の措置を講じてやりたいと願うのです。
いつも名古屋駅前や白川公園や久屋大通パークの写真を撮っていて思ったことを記事にしました。