本堂の焼け跡から見つかった慶長小判、大判が入っていた陶器の入れ物に見入ってしまった。円空仏がすぐ隣にあるのですが、どうしても目がハート型に!。名古屋市にある龍泉寺の宝物として展示されています。
緑の釉薬が垂れて織部焼きみたいな雰囲気のある陶器の器です。サイズは少し大きめの2人用の土鍋くらいででしょうか。蓋と鍋はきちんとすり合わされていて、仕事に粗雑さを感じさせるような隙間はありません。
蓋の握りの部分はたぶん元々は六角形で分厚く丈夫にできています。しかし全体の雰囲気は質実剛健の一点張りではなくて模様が施されて繊細な趣も感じられます。
小判大判専用のこの陶器の入れ物は特注品かも?
専用の陶器の入れ物を特注したのかも?。台座がしっかりしすぎなように見えるのは重量物を入れる予定があったからなのではないでしょうか。まさかとは思いますが、陶器で有名な瀬戸がすぐ近くなので、サイズなどを指示して焼いてもらった可能性もなくはありませんね。
夜な夜な和尚自ら本堂の床下に降りて土を掘って埋めておいたのでしょう。そのことが後世明治の本堂焼失という不幸から立ち直る原動力となりました。本堂の焼け跡からこの陶器の大判小判の入れ物が見つかり本堂復興の元手として役立ったのです。器に入っていたのは慶長小判98枚と大判2枚だそうです。
小判の価値はネットで調べても多くの説があるのでよくわかりませんが、10万円とか30万円とか言われています。
目に見える所に置いておいたなら、必ず使ってしまっていたに違いありません。平時の備えが有事に生きる見本のような話です。自分を顧みるとはなはだ暗い気分になってしまいます。
龍泉寺には裏に風情ある庭があります。そしてそこからの眺望が宝物です。名古屋駅前のビル群や製紙工場、小牧山とその向こうには岐阜城のある金華山が望めます。
100円の入場料は必要ですが維持管理の支援と考えると安いくらいです。
宝物館では円空仏なども見せて頂きました。折を見て次回改めてお話しさせていただきます。
使ったカメラ Nikon :D500 レンズ Nikkor:DX 16-80mm F2.8-4.0
龍泉寺公式サイト https://www.ryusenji.com/