木曽街道奈良井宿の10月後半は、冬に向かって昼間の太陽の高さが低くなり、街道の南の方角から差す日の光はどうしても写真に強いコントラストをつくってしまいます。
それはそれで写真の情報量が少なくなる分パンチの効いた写真に仕上がるのですが、自分では押しつけがましい写真になってしまう気がしてあまり好きではありません。折り紙で折ったように暗くなってしまった面が、うっすらとでも写っていて欲しいので、いつも絞りやシャッタースピードをやり繰りしながらねばって撮っています。
コントラストが強い写真は撮る人の独りよがりな美意識が写ってしまいがちです。
そこのところをわかりながら撮ればよいのですが、私は引っ込み思案なので失敗します。とは言うもののこの季節柄コントラストが強いのは致し方ないのでカメラの機能を生かしながら撮ってきました。
デジタルカメラの機能として備わっている、アクティブD-ライティング(ニコンの名称)の設定を調整することでコントラストが強くて黒つぶれしそうな部分もなんとか写せる場合が多くあります。
とても便利な機能なのでこれがなかった時代にはもう戻れません。
HDR(ハイダイナミックレンジ)での撮影も明暗二枚の写真を合成できるので三脚を使って撮ることで上手く写すことができます。
何の機能か知らないときに、ONにしたまま手持ちで撮影してしまって、人物などが二重に写ってしまい失敗写真を量産したことがあります。
翌日は曇ったので再び奈良井宿に寄って写真を撮って帰ってきました。撮影ポイントは花野屋さんの行燈看板(あんどんかんばん)とその奥に見える高い松の木がうまい具合にフレームに収まる辺りが定番でしょう。
奈良井宿でも、大きなカメラで撮影している女性を多く見かけます。
画角の調整とフレーミングの自由度、圧倒的な写真の品質はズームレンズとデジタル一眼のカメラでないとそれほど簡単には写せません。
軽るくて高性能なミラーレスカメラの普及は、きっと彼女たちが支えているのでしょう。
使ったカメラ Nikon:D500 レンズ:Nikkor DX 17-55mm F2.8