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写真:京都国立博物館と京都府立図書館、そして京都国立近代美術館の美しい字体で書かれたそれぞれの名称を写真に撮って集めただけなのに、日本文化の威厳さえ感じます。

京都国立博物館

京都国立博物館と京都府立図書館、そして京都国立近代美術館の美しい字体で書かれたそれぞれの名称を写真に撮って集めただけなのに、日本文化の威厳さえ感じます。どうしてそう感じるのかを考えていたのですが、それは、建物の名前のここ以外には考えれないという場所への配置と文字のスタイル、そして、それに負けない建物のデザインと壁面に施された模様が、東洋的な西洋感を醸成しているからではないでしょうか。

そういったデザインや意匠は、どんなに先鋭的であっても、必ず造られたときの時代性を帯びますが、後世の人がそれをうまく残しながら近代化しているので、京都国立博物館と京都府立図書館がもつ明治という時代のオーラの出口を塞がなかったのでしょう。そんな目に見えないことを操ることが出来る人の仕事に違いありません。

京都府立京都図書館

しかしそれらの建物が出来上がった時には、きっと最先端であって、京都の人たちに日本の未来を感じさせていたでしょう。
西洋的なのに懐かしさを感じてしまうのは、1000年の都の文化的な建築物ですから、その感性と腕前を西洋にも負けないことを設計者に求めたはずです。下手な建物をこしらえてしまうと、京都の伝統的な寺社仏閣から笑い物になりかねません。そのためにはこのくらいのレベルのものであっても京都の人たちは当たり前と思ったのでしょうし、さらに新しさを感じさせるものがあっても良かったはずです。何せ日本の本気の造作ですからヘタウマとかで京都の人たちの審美眼をごまかせる訳はありません。

京都国立近代美術館

一方の京都国立近代美術館新館は、建築家の槇文彦さんの設計により1986年竣工とホームページにあります。比較的新しい建築ですが、半世紀ほど経つのでやはり昭和の時代性を感じさせ始めています。京都国立近代美術館は、工芸分野に力を注いでいるとHPに書いてあります。建物の名前が刻まれた石碑には美しい手書きの文字が彫られていて朱の入った落款もあります。どなたの書になるのでしょう?気になります。

芸術教育にかかわる京都にある大学どうしがその名称を巡って裁判での争いがあります。

芸術教育にかかわる京都にある大学どうしがその名称を巡って裁判での争いがあります。もうすぐ判決が出るはずです。ものすごく現実的で夢のない話題ですが、京都造形芸術大学が、京都芸術大学に名称変更したときに京都市立芸術大学が名称変更の差し止め訴訟を起こしたのです。京都芸術大学という呼び名には強力なブランド力を感じますが、なんだか恐れ多くて誰もが遠慮して手を出さなかった、出せなかったのではないかと想像しています。

そこには何か不文律のようなものが存在してバランスが取れていたのにもかかわらす、京都造形芸術大学が京都芸術大学という名称に遠慮なく触手を伸ばし、すでに京都芸術大学を名乗ってしまっています。そのことを京都市立芸術大学が訴えたわけですが、それを差し止めるには後手に回ってしまっているような感じがします。

では、大阪芸術大学はどうなるのだと思うのですが、京都という名前には芸術に関係するブランド価値を感じるので、それを織り込んで考えないといけないでしょう。いわゆる暖簾です。こんなことに少し触れるだけでももう既にややこしい話です。

京都造形芸術大学外苑キャンパス

ただ私は京都造形芸術大学が東京の神宮外苑にキャンパスを設けたときに、ビジネスライクな学校経営を考えているんだなと感じました。それはこれまでにはなかった大学のイメージ向上へのアプローチだと思ったからです。京都と一緒に東京というブランドも取り込んで大学を全国区にする、そのためには東京というブランドも大学には必要だと考えたのだと思います。素晴らしい戦略です。

今回の大学名に関する訴訟問題は、京都造形芸術大学の経営の方向性に従って大学名を京都芸術大学に変えた途端に京都における大学間の摩擦となってしまったのだと理解しています。個人的には日本の芸術家の輩出やその歴史と実績のある京都市立芸術大学の気持ちはよくわかります。しかし油断は禁物なのです。たぶん、国立の京都工芸繊維大学はじっとこの流れを注視しているに違いありません。大脱線です。外野ながら心配しています。

京都は革新的なところです。そうでないと千年も日本の都が務まるはずがありません。

京都は革新的なところです。そうでないと1000年間も日本の都が務まるはずがありません。時代の先端を走り続けるには生まれた物がすぐに陳腐化する革新性が必要です。これらの国立の博物館や府立の図書館は明治維新後の近代日本のステイタスとして西欧文化にも負けない気概を持って建築されたはずです。そんな気持ちをつなぎながら新しい時代に向けてまた斬新な建物が生まれると良いと思っています。

なお、大学の名称に関する部分がありますが、私の知っている範囲と個人的の思うことを書いています。何がしかの意図を持っての記述ではありません。悪しからずご了承ください。

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