

猿投神社と大碓命の物語
猿投神社(さなげじんじゃ)は、愛知県豊田市・岡崎市・西尾市にまたがる西三河平野の北端、猿投山の麓にある歴史ある神社です。
ここに祀られているのは、日本武尊(やまとたけるのみこと)の双子の兄、大碓命(おおうすのみこと)です。
神社の起源と伝承
猿投神社の創建は、仲哀天皇元年(西暦192年)と伝えられています。日本武尊の皇子である仲哀天皇によって建立されたとされています。
大碓命は、この地域の開拓に従事していた際に、毒蛇にかまれて命を落としたと社伝に伝えられています。
彼の御陵(墓所)は、現在も猿投山の中腹にあります。
古事記との違い
興味深いことに、大碓命の最期については、古事記と社伝で異なる内容が伝えられています。
古事記では、大碓命が朝廷に背いたために都から遠ざけられたという記述がある一方、社伝では地域開拓の最中に殉職したとされています。

祭神の大碓命はサウスポーだったようです

左鎌奉納とは
猿投神社では、古くから「左鎌(ひだりがま)」を奉納する独特の信仰が伝わっています。
これは、御祭神・大碓命(おおうすのみこと)がこの地域を開拓された御神徳をたたえ、諸願成就を祈願するために行われてきたものです。
左遣い=双子のしるし?
言い伝えによれば、双子のうち一方は左利きであることが多く、大碓命は双子の弟・小碓命(日本武尊)に対し、左遣いだったとされます。
この縁から「左鎌」を奉納し、五穀豊穣や病気平癒、開運などを祈願する信仰が生まれたといわれています。
現代の奉納例
近年では、交通安全や職場安全を祈る企業団体による左鎌奉納が盛んに行われています。
猿投神社の境内には、奉納された左鎌が多数並び、
他の神社ではなかなか見られない神秘的な光景が広がっています。
左鎌の絵馬には、トヨタ自動車の開発部門や、
各工場の部門や取引企業名が多く見られます。
大碓の命は、開拓、開発に携わっていたとの言い伝えから、
研究開発などの部門の崇敬を集めています。
トヨタ自動車を世界一にした神様といっても過言ではありません。




アクセスと観光情報
猿投神社へのアクセス:
- 最寄駅:名鉄豊田線「猿投駅」からバスまたはタクシーで約15分
- 駐車場:あり(無料)
- 登山や自然散策を兼ねて訪れる人も多く、神社の神聖な雰囲気と自然の美しさが人気です。
