
こんにちは!今回は、名古屋市中区栄という都会の真ん中にありながら、深い歴史を持つお寺「瑞雲山政秀寺」をご紹介します。
栄の若宮大通沿い、賑やかな街並みに溶け込むように建つこのお寺は、実は戦国時代の英雄、織田信長ゆかりの場所なんです。
織田信長と家臣・平手政秀の物語
政秀寺の歴史を語る上で欠かせないのが、織田信長の守役を務めた家臣、平手政秀(ひらて まさひで)の存在です。若き日の信長は「うつけ者」と呼ばれ、その素行の悪さを周囲から心配されていました。政秀はそんな信長を厳しく諌め続けましたが、信長が改心しないことに絶望し、自らの命を絶ってしまいます。
信長は政秀の死を深く悲しみ、その菩提を弔うために天文22年(1553年)にこの寺を創建しました。寺の名前「政秀寺」は、忠義を尽くした平手政秀の名から取られたものです。
度重なる移転と再建、そして現代へ


創建当初は、小牧山の南にあった政秀寺ですが、戦火により焼失。その後、清須へ移転し、さらに慶長15年(1612年)には名古屋城築城に伴う「清洲越し」で、現在の栄の地に移されました。
第二次世界大戦の空襲でも焼失してしまいましたが、戦後に再建され、現在に至ります。コンクリート造りの現代的な建物ですが、その歴史を知ると、信長と政秀の強い絆、そして時代を越えて受け継がれてきた人々の思いを感じることができます。
瑞雲山政秀寺の見どころ
境内は決して広くはありませんが、静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。 かつて境内には平手政秀のお墓もありましたが、現在は名古屋市平和公園の政秀寺墓地に移されているそうです。
賑やかな栄の中心部にいることを忘れさせてくれる、静謐な空間で、戦国時代の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
あいにく改修工事中だったので境内に入るのは遠慮しました。
ここから4.3㎞北の名古屋市北区平手町に、平手政秀の屋敷跡があります。
現在は志賀公園として名古屋市民の憩いの場所になっています。
アクセス情報
- 所在地: 愛知県名古屋市中区栄3丁目34−23
- 交通: 地下鉄名城線・矢場町駅から徒歩約5分
栄でのショッピングや観光のついでに、ふらっと立ち寄ってみるのもおすすめです。