写真:長浜市の長浜駅近くから見た伊吹山。海抜1,377m。
徳川家康も織田信長も豊臣秀吉も浅井長政もお市さまも茶々様(淀殿)も、どのような思いをいだきながらこの伊吹山を見ていたのでしょうか。
時が過ぎ、自分以外誰もいなくなってしまった家康。
関ヶ原では敵味方といえども、同じ時代を過ごしてきた人たちばかりでした。
関ヶ原の戦いで命を落とした大坂方の大名たちの顔や声、大坂城の廊下ですれ違ったときに何気なく交わした言葉などもふと思い出していたでしょう。
ここを通るたびにそんなことを思い出させるのが伊吹山のはずです。
家康は、口には出さなくても今生きていることの孤独を味わっていたに違いありません。
岡崎城から見える伊吹山
写真上:真ん中やや右の伊吹山まで約85㎞。目で見ると上の写真のように見えます。左には鈴鹿の山並みも見えています。
写真下:望遠レンズで拡大。伊吹山の左側の谷が関ヶ原。
徳川家康の時代の岡崎城は、ま今のような三階建ての天守閣ではなかったようですが、
城から西の方角を見ると伊吹山が見えています。
伊吹山の左側が低くなっていますが、そこが関ヶ原です。
関ヶ原の入口には南宮山があります。
当時は高い建物がなかったので一直線に見通せたと思います。
名古屋からも伊吹山はよく見えます。
写真:名古屋駅前ミッドランドスクエアビル展望台から見た伊吹山。距離約50㎞、ビル屋上のクレーンの向う側が南宮山、海抜419m、距離約40㎞。
信長も秀吉もお市さまも、伊吹山は日頃から見慣れた山だったはずです。
神々しい姿です。
冬には厳しい伊吹おろしが濃尾平野に吹き荒れます。
人知れず伊吹山に向かって手を合わせていたのではないでしょうか。
伊吹山は歴史上の人物をほとんど知っています。
関ヶ原の戦いでは自分の足下に役者が揃ったのですから。
役者のひとりでもあった武田信玄や上杉謙信は伊吹山を見ずに亡くなってしまったかもしれませんね。
滋賀県側から見る伊吹山は名古屋から見る伊吹山に比べて優しい感じがします。