鳳来寺山参道の若山牧水像
9月17日は若山牧水 1885-1928 歌人。の命日です。
存命なら138歳です。
鳳来寺山参道の若山牧水像には徳利や酒杯が詰め込まれています。
長年にわたる度を超えた飲酒が彼の命を奪いました。
しかし悔いは無いような表情をしています。
マントを羽織った牧水像は全く歌詠みの姿ではありません。
像の作者は彼を表現するにはこれしかない!というところまで練りに練ったのです。
その像が誰とも知らずに正面に立った私は、作者の意図するところもわからずに「なんだこれは!!」と目を見張りました。
傍の石にはめ込まれた説明板を読んでようやく作家の意図が飲み込めました。
やっぱり牧水の体の中は、こんな感じだったのでしょう。
普通に牧水の立像を作ってしまったら、さぞつまらない像になってしまっていたことでしょう。
若山牧水
若山牧水は、明治から大正にかけてのころの有名
な歌人です。若いころからいろいろな傾向の歌を
つくりましたが、とくに晩年は自然を愛し、素直な心
情を歌にしながら、酒と旅をたのしみつつ生涯を終え
ました。
牧水は大正13年7月、鳳来寺を訪れ医王院に5日
滞在しました。そして、大正15年6月、再び鳳来寺を
訪ね、小松家に一泊しました。牧水が鳳来寺を訪れた時に
残した
仏法僧仏法僧と鳴く鳥の
声をまねつつ飲める酒かも
という歌を刻んだ碑が、松高院の上の左側の岩の壁に
はめこんであります。
しんしんと更けていく深山の気配を肌に感じながら、静かに
酒を飲んでいると、「ブッ・ポー・ソー」と澄んだ鳴き声が、
深い木立の間の空気に共鳴して響いてくる。
思わず、自分も「ブッ・ポー・ソー」と、一緒につぶやきながら、
盃を重ねている。
と、鳳来寺の里の静かな夜を詠んだものでしょう。
ネット検索して牧水の写真を見ると、ずいぶんいい男です。
この像もあともう少し男前に仕上げてあげてほしかったなぁ。
私はお酒もビールもウィスキーもワインも普段はほとんど飲みません。
でも、お酒が弱いわけではありません。
ひとり酒を飲みながら更けゆく深山に居て仏法僧の声を聞いたなら、私もきっと「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴き声を真似します。
若山牧水が歌人として名を残している感性の高さううかがい知ることが出来ます。
宮崎県HP https://www.pref.miyazaki.lg.jp/miyazaki-bunkashinko/kanko/bunka/20231222105218.html